no.007 ★★★アイアンマンジャパン完走記 2002.5.12 by パピイ
練習は十分のはずだ。しかし、いやでも数時間後には幕が開かれるのだ。今という時間がこのまま止まってくれれば・・・・。海を見つめてながら私はそう思った。スタートが近づくにつれ、緊張感に襲われ心細くなっている自分がそこにいる。
5月12日、ついにその日が来た。早朝5時15分スイム会場へ到着。薄暗く風が強く肌寒い。昨日試泳した時よりも風は強そうだ。水温は19度との発表で問題なさそうだが、波が高そうである。スイムが苦手な私にとってはこの時間帯が一番緊張する。6時30分に入水チェックを受け海に入る。浸かった瞬間は冷やっとしたが、時間がたつとともに呼吸も落ち着いてきた。
スタートは200メートル先からのフローティングスタートである。先を争う様子もなくスタート位置まで泳いでいく人、50メートルほど突き出たところまで歩いて行って入水する人など、みんなスタート位置の確保を始めている。私も人の流れについて行き、ついうっかり、テトラポットにつまずき右足くるぶしの上を強打してしまった。しかし、緊張感で痛みはなく塩水で傷口が白くなっている。「何とでもなれ」とスタート位置後方でぷかぷか浮いていると、隣の人が「もう、スタートしているみたいですよ」と声を掛けてくれた。そういえば、7時を過ぎた頃であるが号砲などぜんぜん聞こえなかった。気の抜けた緊張感のないスタートとなってしまった。まずは折り返しまで頑張ろう、しかし、波が高く、一つ一つのブイまでが滅茶苦茶遠く感じた。2周回目に入り、相変わらず波が高かったがもう気力で泳ぎきるしかない。ようやく浜が見えてきた。やっと着いた…。浜に上がり、時計をみると1時間32分。2時間掛けて泳ぎきればいいと思っていたのが逆に良かったのであろうか、予想以上に良いタイムであった。
体が冷えたのでまずトイレへ駆け込む。着替えにかかり傷口を見るとなんと血だらけ、タオルでふき取るが止まりそうにないので、諦めてシューズを履き、バイクジャージに着替えスタートする。体が重く、宙に浮いているような状態で、慣れるまで30分以上かかってしまった。前半は比較的フラットで30キロの第一折り返しポイント近くでS井さんとすれ違った。「S井さんのサングラスはカッコイイなぁ」と思いながら時計を見るとタイム差があまりないではないか。ということはスイムの調子が悪かったのかな。
ようやく体も温まり、ペダルも回るようになってきた。市街地を抜けると徐々にアップダウンがきつくなってくる。上り、下りの繰り返しで噂どおりの難コースだ。90キロ地点にさしかかり「ヒルトップ3キロ」の表示があつた。上りながら、まさかこの場所を3回通るのでは?と思うとぞっとした。坂を上りきった後、下って周回コースへと入っていくが、向かい風で全然前へ進まない。120キロ地点にさしかかり、2回目の「ヒルトップ3キロ」に挑む。やっとのことで上りきり、2周回目に入るが以前風が強く進まない。さあ、150キロ地点で3回目にやってきた。ここまでくればもう気力あるのみ。(このバイクコースを克服するには京北町往復+勝尾寺3往復の練習が必要だ)何とか上りきり、ほっとしたのもつかの間、周回コースの洗礼に加えて、最後までアップダウンの連続で苦しめられた。バイクゴールにたどり着いたときにはもうヘロヘロで、7時間29分も要してしまった。 トランジッションに入り、ゆっくり着替えようと思っていたら、ボランティアの高校生が着替えを手伝ってくれて、あっという間にランスタートとなってしまった。そういえば傷口の血は止まっていたが、ソックスは血だらけであった。
さぁ、得意のランだと思ったのもつかの間、走り出した途端右足の太ももがつりそうで傷口が痛い。ストレッチよりもペースを落とす作戦に切り替えたら、幸いに傷口も麻痺し体も足も楽になってきて、5キロを27分で通過できた。このままキロ6分ペースでのんびり走っても完走出来ると思えば気が楽になってきた。10キロ・15キロ・20キロとほぼ同ペースを維持できた。エイドは1.5キロ毎にあるので補給は万全であった。
30キロを過ぎ、絶対ペースダウンするだろうと予想していたのだが、練習の成果だろうか、足どりも軽くなっている。スタートしてすでに12時間も経過し、日も暮れてしまつたが、地元の応援にささえられ市街地に入り、だんだん興奮状態になっている状況が自分の走りをさらに軽くしている。ゴールまで後2キロ、さぁここからは楽しむぞ! 沿道の人々にハイタッチをし、かぶっていたキャップを投げ捨て(かわいい女性を見つけプレゼント!)一路ゴールへ。感動のゴールまであとわずか、後ろを振り向き、誰もいないのを確認しラスト5メートルをゆっくり歩いて感動のゴール。ランは目茶悔しい4時間1分であったが,タイムなどどうでもよかった。13時間と少し(チェジュと全く同タイム)。思いっきり苦しみ、楽しませてくれた福江にありがとう!!
|